07.Nov.2009
世界最長の川と思われていたナイル川ですが、アマゾン川に新しい源流が見つかり、
現在では逆転されてしまったそうです。
ナイル川は、上流で白ナイルと青ナイルに分岐しており、白ナイルはウガンダのヴィクトリア湖、青ナイルはエチオピアのタナ湖を水源としています。
写真は、ナイル川と伝統船のフルーカ。
ルクソールやアスワンでは、観光用に現代の素材で造られた船体のフルーカがあり、
個人旅行の場合は、交渉しないとぼったくられますが、乗せてもらうことができます。
拡張パックの発表会で、GVOのプロデューサーが、この船に乗ったことがあると言っていましたが、船種をダウと勘違いしていましたね。^^;
砂漠の国エジプトですが、ナイル川の氾濫により肥沃な黒土が下流に運ばれ、ナイル川流域は稲作に適した土地になりました。
エジプト米は、日本米やカリフォルニア米と同じ短粒種ですが、残念ながら、少しパサパサしていました。
ナイル川流域は運河が発達していて、スエズ運河とナイル川を結ぶ運河もあります。
また、アスワン・ハイ・ダムから、遥か西方のリビア砂漠に運河をひく緑化事業も進行中です。(トシュカ・プロジェクト。ムバラク大統領のピラミッドとも言われる。)
実はスエズ運河と同じく、この運河も古代エジプトの時代に存在していたそうです。
アスワン・ハイ・ダムは、ドイツとソビエト連邦の協力によって1970年に完成しました。
これは、毎夏おこるナイル川の氾濫をコントロールし、農業用水の安定化に加え、水力発電まで行えるという、アスワン・ダムでの不足を補う夢のプロジェクトだったんです。
これによって全長500km、琵琶湖の7.5倍の面積を誇る人口湖ナセル湖(当時のエジプト大統領で、アスワン・ハイ・ダムの建設をすすめたナセル大統領の名前が由来)が誕生しました。
ダムの完成で洪水は無くなりましたが、その反面、土壌に塩分が溜まるようになり塩害が発生しました。
土地は痩せる一方で、その為に化学肥料が必要になりましたが、肥料作りに必要な電力が、ダムの発電量を上回るという皮肉な結果になりました。
また、塩害は遺跡群にも深刻な被害を及ぼしています。
さらに、晴天率100%だったこの地域に、雲が発生し、降雨も観測されるなど、気候にまで影響を及ぼしています。
公益事業は素晴しいことですが、人間がどこまで自然に手を加えていいものか?
トシュカ・プロジェクトが裏目に出ないことを祈ります。
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