22.Nov.2009
スエズ運河は、近年になって造られたと思われがちですが、実は、古代エジプト中王国時代(約4000〜3500年前)には存在していたようです。
当時の運河は、運輸にも使われましたが、その規模から、主に灌漑用だったと考えられています。
そして、約2500年前、ペルシャ最大の版図を築いたダレイオス1世により整備され、海上交易に使用されるようになりました。
スエズ運河の建造は、砂との戦いだったそうです。砂に埋もれては掘り返したものの、
ローマ時代に、ついに放棄され、歴史から忘れさられたのです。
地中海と紅海の水位が違うと思われていたため、現代も古代も工事は躊躇されたそうですが、実際は水位に差はなく、パナマ運河と違いフラットな運河です。
古代ペルシャの時代に、水位の違いにまで考えが及んでいたとは驚かされますね。
現代版の運河には砂避けの土手くらいあるだろうと思いきや、柵すら無く、岸から水面までの高さも2m程度。川幅も思ったより細くて、拍子抜けしました。
運河の中程にあるイスマエレーヤという街から、地中海側の街ポートサイードまで、
運河に沿って列車が通っていたので、それに乗って運河観光と、運河の長さを体感してみました。
途中には、日本の技術協力により造られたスエズ運河橋を見ることができます。
スエズ運河に架かる橋は、この一本だけ。この橋はクフ王のピラミッドと同じ高さ140mで、橋脚はオベリスクに似せて造られています。
ポートサイードでは、無料の渡し舟が出ています。
渡し舟は、5隻程が同時に運行しており、それが引っ切りなしに往復しているのですが、移動手段はこの船しかない為、人と車が途切れることはありません。
アジア大陸とアフリカ大陸の境界は、スエズ運河。
この渡し舟が、アジアとアフリカを行き来していると思うと面白いですね。
地球温暖化により北極の氷が減少し、北極海の航行が現実味を帯びてきました。
スエズ運河に取って代わる日も近いかもしれませんね。
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