17.Jul.2009
写真は、カカドゥ国立公園内にあるノーランジーロックの岩絵。
アボリジニの岩絵は各地に存在しますが、カカドゥ国立公園内にあるノーランジーロックと、ウビルーの岩絵は特に保存状態が良く、約2万年前に描かれた岩絵が鮮明に残されています。
アボリジナルアートは、樹液や、石を砕いて水に溶かした物を絵の具、木の枝を筆として描きます。
サムネイルのような、人や動物の体を透かし、骨格や内臓が描かれた絵を、X線画と言います。
これは、文字を持たないアボリジニが、動物の急所や食せる部位を示し、狩りに役立てる為に作られた画法と言われています。
X線画法の他には、点描画や、絵の具を口に含み、
壁面を手でマスキングして吹きつけ、手形をスプレーする画法もあります。
岩絵には、動物の他に、ドリームタイムと呼ばれるアボリジニの神話が描かれます。
アボリジニは、部族ごとに言語が異なり、伝承にも差異はありますが、ドリーミングという独特の共通した世界観を持っています。
ドリームタイムは壮大な創世神話。
物質世界と精神世界がリンクしており、現在もまた神話の最中にあります。
(複数の時間軸が共存しているのではありません。
神話は、過去の特定の時代の話ではなく、今もそこに在るものなのだそうです。)
アボリジニ以外の人種には難解な概念ですが、オーストラリアの大自然の中にいると、時間の流れが曖昧に感じられることがあります。
永遠の物語は今も続いているのです。
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