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大航海時代 Onlineの冒険と旅行記
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カイロ

カイロ

オールド・カイロ写真は、オールド・カイロ地区。
イスラムの英雄サラディンの建設した城塞からの眺望です。

ここには、ナポレオンの占領の混乱に乗じ、オスマン朝から独立した、ムハンマド・アリの霊廟も建てられています。

ムハンマド・アリ廟は、イスタンブールの
ブルーモスクを参考にして建設されており、
世界遺産に登録されているオールド・カイロ地区の中でも、最も美しい建造物です。

(エジプトのナイル沿岸は稲作が盛んですが、収穫後に焼畑を行う習慣があり、秋には写真のように空が煙で覆われます。)


オールド・カイロカイロは、古代エジプトの都だったと思われがちですが、
ピラミッドが建設された古王国時代の首都は、ギザより30km程南のメンフィスにありました。

ここに都市が建設されたのは、イスラム帝国時代の7世紀中頃。
イスラム帝国は、東ローマ帝国に対抗し、
現在のカイロ市街の南端、フスタートに軍事都市を築きました。

その後、北アフリカで興ったイスラム教シーア派のファーティマ朝に征服され、
ファーティマ朝は、フスタートの北に、エジプトの州都ミスル・イル・カーヘラ(アラビア語で『勝利の街』の意)を建設します。
このカーヘラをイタリア語読みしたことが、カイロの語源になったと言われています。

サラディンの興したスンナ派政権のアイユーブ朝では、カイロは首都となり、また、スンナ派の中心地となりました。
そして、アイユーブ朝に続くマルムーク朝の時代には、モンスーンを利用したインドとの交易によって、繁栄を極めます。

その後、オスマン朝に併合されることになりますが、GVOのイスパニアのイベントでは、
この式典がアレクサンドリアで行なわれ、参列するバルバロス・ハイレディンを狙撃するというシナリオがありましたね。


フスタート14世紀に流行したペストで、人口が激減したそうですが、
現在、カイロは、中東およびアフリカ大陸において、最も人口の多い街となっています。

人口もさることながら、喧騒の凄まじさにおいても一番かもしれません。
騒音のせいか、エジプトは難聴の人が多く声が大きいのですが、それがさらに喧騒に拍車をかけています。

カイロは、大きくなるにつれ、北へ北へと増築され、街の北側が新市街となっています。
逆に、カイロ発祥の地であるフスタートは、廃墟が残るのみ。
サラディンの侵攻の際、占領後にフスタートの施設を利用され、要塞化されることを恐れたファーティマ朝が自ら破壊し、現在に至るまで、その姿を留めているのです。
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紅い海

紅海

紅海は、グレート・リフト・ヴァレーと呼ばれる大地溝帯によって形成されています。
この大地溝帯は、ヨルダン渓谷(世界最低地の死海周辺)から始まり、南部アフリカまで達しています。
地球の裂け目とも呼ばれており、いずれ、ここから、アフリカ大陸は分断されるそうです。
紅海も、この裂け目に沿って、マッサワ辺りから南へ延びることになるのでしょう。


『紅海の透明度を守る海峡』というクエストがありますが、事実、紅海は透明度が高く、
ダイビングのスポットとしても有名です。
紅海は、ペルシャ湾と並び、世界で最も塩分濃度の高い海です。
この地域は、海へ流入する河川や、降雨量が少なく、また高温乾燥地帯で海水の蒸発量が多い為、こうなるのです。
浮力も大きくなる為、ダイビングで付けるウェイトも、通常の物より大型でした。


紅海は、シナイ半島によって、スエズ湾とアカバ湾の二股に別れています。
西側のスエズ湾は、スエズ運河の出口。東側のアカバ湾は、エジプト、イスラエル、ヨルダン、サウジアラビアの4ヵ国の国境になっています。

中東からエジプトへは、イスラエルを経由する陸路がありますが、この時は、ヨルダンのアカバ港から、海路でエジプトのシナイ半島へ入りました。
エジプトの出入国では、空路だと飛行機、海路だと船の形をしたスタンプがパスポートに押印され、いい記念になります。
ただし、ビザは切手タイプで、入国管理局職員の唾で貼られてしまいます…。


紅海写真は、シナイ半島のダハブという街。
海の色の淡い部分は珊瑚礁で、濃い部分との境はドロップオフになっています。
対岸にうっすら見えているのはアラビア半島(サウジアラビア)です。

この辺りは、ダイビングに訪れるイスラエル人観光客を標的に、爆弾テロも起きているので注意が必要です。
バスで移動中、何度か検問がありましたが、爆発物のチェックは、なんとダウンジング。
磁力や電磁波に反応することがあるそうですが、効果の程はどうなのでしょう?


シナイ半島にあるシナイ山頂は、エジプトから脱出したモーゼが、神から十戒を授かった場所です。
ということは、モーゼが割った海は、紅海でもスエズ湾ということになりますね。

GVOでは、マッサワ郊外にシナイ砂漠旅団というNPCがいますが、地名が付いてるNPCを別の場所に出すとは…。中国に忍者がいるようなものですね。
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ペルシャの海

ペルシャ湾

アラビア半島の国々ではアラビア湾と呼ばれており、イランとの間で呼称問題が起きています。

ペルシャ湾写真は、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国です。

ペルシャ湾で泳いでみようとビーチへ行ったのですが、この日は、女性限定の日で、別のビーチへ移動させられてしまいました。
観光開発されているとはいえ、やはり男女の別が厳しいイスラム教国です。
女性限定の日があるだけでも、男性中心のイスラム教においては革新的な方でしょう。


ここから海路でペルシャ湾を渡り、イランのバンダル・レンゲへ向かいました。
アブダビ首長国からならホルムズ行きがあったのですが、アブダビへの旅費・滞在費があれば、イランまでの航空券が買えるので、馬鹿らしくなって取り止めました。
国の物価とは一概には計れないもので、UAEは、中東諸国の中で物価は高めですが、産油国で燃料が安い為、航空運賃は格安だったりします。
ちなみに、GVOのホルムズは、実際はバンダル・アッバースという名前です。
ホルムズは、その対岸の島の名前なんですよ。



ドバイの王族が経営するエミレーツ航空は、世界中の航空会社とコードシェアしており、
このネットワークによって、ドバイを経由することで、世界各地へ行くことができます。
利便性が高い割りに廉価で、さらに機種・サービスも良いので人気の航空会社です。

エミレーツ航空の往復航空券は、復路のみストップオーバーが無料になっています。
ここは自由貿易港─。帰路に立ち寄り易くすることで、土産の免税品ショッピング、観光、航空事業と、相乗効果をもたらしているのです。
何も無い砂漠の国に、人と金を流通させる手段が航空事業と観光開発だったわけです。
石油資源が枯れた時の為に、新たに興した産業がこれだったんですね。

ドバイの街は、オイルマネーで狂騒的に建設された訳ではないですが、訪れる度に、
高層ビルや人口島が増えていて、観光開発とは言え、明らかにやりすぎ…。
オイルによって急速に富を得た為、散財の仕方が凄まじいのです。
現在、世界同時不況によって陰りが見えていますが、日本で報道されている程ではないようです。


ドバイには、世界一の超高層ビル、ブルジュ・ドバイ(818m)があります。
また、現在、1050mの超々高層ビルも計画中。クウェートでは1001m、サウジアラビアでは1609mと、
他の中東地域でも超々高層ビルが計画されています。
バベルの塔の逸話がある中東地域で、このような高層建築競争が起きているとは皮肉な話です。
旧約聖書のように、神の怒りを買わなければよいのですが…。

トロイ戦争に代表されるように、神話や伝説は、史実に創作を加えて創られていることがあります。
(旧約聖書を史実と考える人もいますが)バベルの塔は、古バビロニア王国のジグラットが元になったと考えられています。
ジグラットとは、『古代メソポタミアの都市』の発見物ウルに見られるような、階段状の建造物です。
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アラビア航路の確保

アラビア半島

ここは、ワディ・ラムと呼ばれる砂漠地帯。
『アラビアのロレンス』の舞台になった場所でもあります。

ワディ・ラム車を手配してみると、やってきたのは荷台に座席が付いたトラック。
ドライバーを務めてくれたのは、アラビア半島の遊牧民ベドウィンの若者でした。

遊牧民族のベドウィンですが、最近は定住生活をする人が増えてきています。
しかし、遊牧生活の習慣が抜けないのか、家の外にテントを張って、そこで生活する
ベドウィンもいるんですよ。

遊牧生活を送っていたある日、先進国の都合で国境線が引かれ、
その時、産油国側と非産油国側のどちらに居たかで、裕福な生活をする人と、伝統的な生活をする人に分かれることになるとは、夢にも思わなかったことでしょう。


この砂漠には、シリアの首都ダマスカスから、イスラム教の第二聖地メディナまで続く、ヒジャーズ鉄道が通っていました。
この巡礼鉄道は、第一聖地のメッカまで繋がれる予定でしたが、
オスマン帝国の兵站も担っていた為、第一次大戦中、ロレンスによって破壊され、現在は貨物列車しか通っていません。

メッカ巡礼はハッジと呼ばれ、イスラム教徒にとって人生の目標となっています。
明の航海者の鄭和(雲南地方出身の少数民族で、イスラム教徒)も、メッカ巡礼を志し、7度の航海で、自ら訪れることは出来ませんでしたが、最後の航海の際、艦隊の一部をメッカへ送ったといいます。

メッカを巡礼した人に話を聞いてみたところ、メッカに着いた途端、涙が溢れて止まらなくなったそうです。
感極まった訳ではなく、気付くと溢れていて、一緒に巡礼した家族もそうだったのだとか。

メッカは、玄関口となっているジェッダからバスで1時間程の所にありますが、メッカ手前の検問所に、各言語で、イスラム教徒以外の立ち入りを禁ず旨が書かれた看板があり、そこから先に進むことはできません。
どんな所なのか、イメージだけが膨らみます。


アラビア半島右の写真はベドウィンのテントです。
ドライバーの紹介でテントに入れてもらい、
シャイ(紅茶)をご馳走になりました。

この辺りはハエが多くて、シャイの中にも入ってしまいます。
しかし、ベドウィンの迷信では、ハエは片方の羽に毒があり、もう片方の羽に解毒作用があるので、そのまま飲んでも問題ないんだそうです。

インド原産のチャイ(紅茶)ですが、アラビア語ではシャイと言います。
日本語や中国語等、アジア地域ではチャ。英語ではティーで、その他の欧州地域ではテーと言うことが多いです。伝わっていく過程で、少しずつ変化していったんでしょうね。
こんな、ふとした発見も、旅行の楽しみの一つです。
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砂漠の向こうの聖地

ウルル

地球のヘソ、世界最大級の一枚岩エアーズロック。
オーストラリアの先住民アボリジニの言葉でウルル(偉大な岩)と言います。
夕陽に照らされると、赤く染まったように見えることから、『赤い心臓』とも呼ばれます。

ウルルには、アボリジニの描いた古代の岩絵の残る洞窟がいくつかあり、文化・自然の両方を満たした複合遺産に指定されています。
このことから、GVOでも史跡に分類されたのでしょう。


ウルルちょうど年末年始に滞在したので、ウルルの頂上から初日の出を拝んでみました。

遮る物が無い為、朝陽を浴びたウルルの影は、反対側の地平線まで伸びます。
さらに、陽光の反射で、ブッシュにかかった朝靄がオレンジ色の海のように輝き、ウルルはその中に浮かぶ浮遊大陸のようでした。


ウルルは、地中に埋まっている部分が大半を占めると言われています。
気温が40度を超える中、10km近い外周を歩いてみましたが、風化によって崩れた岩が周囲にいくつかありました。
その形状から、元々、ウルルは台形ではなく、もっと丸みを帯びていたことが想像できました。岩の一部だけが地上に顔を出しているのだとすれば、納得できる形です。

にわかには信じがたい話ですが、かつて、この地には、山脈が存在したそうです。
その山脈が形成した扇状地が、やがて浸食していった山脈の土砂に覆われて堆積岩となり、その一部が地表に隆起した物がウルルなのだそうです。


カタジュタウルルの西32kmには、マウント・オルガ
(アボリジニの言葉で『多くの頭』を意味するカタジュタ)と呼ばれる36個の巨大な岩石群があるのですが、
これらは、地中でウルルと繋がっていると
考えられています。

こちらは岩質が荒く、一枚岩と呼んでいいかは疑問です。
岩質が荒いのは、扇状地でも、より上流に位置していたからなのだそうです。


最大級というコピーが気になりますが、実は、世界最大の一枚岩はウルルではなく、
西オーストラリア州の内陸にあるマウント・オーガスタスです。
また、地中を含めるならば、ジンバブエにあるグレート・ダイクの方が遥かに大きいです。
しかし、世界最大でなかったとしても、ウルルの価値は何一つ下がりません。

周囲は全て地平線─。
『恐るべき空白』と言われるその風景の中、ウルルだけが存在している姿は神々しく、
アボリジニが聖地と崇めるのも頷けます。

ウルルの岩肌は、地層に沿って溝状に風化しています。
滅多に見れない光景ですが、大雨が降るとその溝が川となり斜面では滝が現れます。
その滝壺には精霊が宿るとされており、真夏でも、決して枯れることはありません。

ドリームタイムと呼ばれるアボリジニの創世神話によると、精霊達は、全土を歩き大地を創造していきました。
精霊達の歩いた聖なる道は、全てウルルに至っており、大地の創造が終わると、精霊達は岩の中へ入っていったと言われています。

ウルルでは、精霊の意思のようなものが、確かに感じられます。


ウルルは、ハエが多いことでも有名ですが、これは入植者が家畜を持ち込んだことによる弊害です。
普段はおびただしい数のハエですが、なぜか1匹も現れない日があり、いったい何処に潜んでいるのか不思議です。
どうして現れないか、原因はわかっていないそうです。

オーストラリアは空気が乾燥している為、ハエは水分を求めて目や口に集ってきます。
目は開けられないし、食事をすると一緒に飲み込みそうになるし、やっかいな存在です。
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