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大航海時代 Onlineの冒険と旅行記
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恒久なる星々

恒久なる星々

オーストラリアの宝石と言えば、オーストラリアでのみ産出されるピンクダイヤですが、
ブラックオパールもまた、オーストラリアでのみ産出される宝石として有名です。
現在、世界のオパールの7割以上はオーストラリアで産出されており、GVOでも交易品に追加して欲しいところです。

クーバー・ペディその、オーストラリア産のオパールの7割を産出しているのが、オーストラリア中部の街クーバー・ペディです。

クーバー・ペディとは、土地のアボリジニの言葉で、『白人のもぐる穴』という意味があります。

ここは、夏には、気温が50度を超える地域。
オパールの採掘で出来た穴は、温度が一定しており、夏は涼しく、冬は暖かい為、人々が鉱山を住居にしてしまった街なんです。

現在は、エアコンが普及し、地表に家が増えましたが、蟻の巣のような地下室がある家が多く、街のあちこちに、地下から伸びた空気取りの煙突が突き出ています。


オパールの採掘は、悲喜交々。
何十年も地下に篭もって採掘しても、全くオパール層に当たらない人もいれば、僅かな期間でオパール層を見つけ、財を成す人もいます。
中には、オパール層が剥き出しになった壁の家で暮らしてる人もいるんですよ。

せっかくなので、オパール採掘に挑戦してみましたが、残念ながら、値段の安いホワイトオパールしか見つけることができませんでした。


ディンゴフェンスクーバー・ペディの郊外には、ディンゴフェンスと呼ばれる、世界最長のフェンスが設置されています。
その長さ、なんと5320km!

このフェンスは、オーストラリアの固有種である狼犬のディンゴから家畜を守り、また入植者が持ち込んだ犬との交雑を防ぐ為に、南東の沿岸部と内陸部とを分断するように設置されています。
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不思議な奏法

ディジュリドゥ

アボリジニの伝統的な木管楽器で、世界最古の楽器ディジュリドゥ。
音はアイヌの民族楽器ムックリに似ています。
カンガルーの跳ねる音、ディンゴの遠吠え、ワライカワセミの鳴き声、ブーメランの飛行音などがあり、目を閉じてディジュリドゥの音色を聞いているとオーストラリアのブッシュが頭に浮かんでトランス状態になってしまいます。

お土産用は、機械で穴を開けた物にアボリジナルアートをペイントして、それらしく見せていますが、本来は、白蟻が雨避けに巣食ったユーカリの枝から作られます。
その為、雨季乾季のあるオーストラリア北部でしか原材料が採れず(南部は日本と逆の四季)、北部のアーネムランド産か、北西部のキンバリー産が殆どです。


ディジュリドゥ偶然、自作のディジュリドゥで、路上パフォーマンスをやりながら、オーストラリアを旅している人物と知合うことができました。
ディジュリドゥを吹きながらギターを弾き、肩に乗せたオウムが曲に合わせて歌うという離れ業の持ち主。
すっかり心酔してしまい、ディジュリドゥ作りから教えてもらいました。

ユーカリを叩いて、空洞になっているかを確かめ、
枝を切ったら樹皮を剥いで、音がよく響くように薄く削ります。
吹き口に、蜜蝋のマウスピースを付ければ完成。

穴の形は同じ物が2つと無い為、枝によって音も様々。基本的には、太く薄く長い物ほど良い音が出ます。
旅行中だったので、持ち運べるよう、小型でなるべく良い音が出る枝を選びました。

口を震わせながら空気を吹き込むという奏法なのですが、音を途切れさせない為には
循環呼吸が必要になります。
口に溜めた空気を頬の力でディジュリドゥに送り、その間に鼻から息を吸い込んで肺に補充するというやり方なのですが、これが出来るようになるまで1ヶ月程かかりました。


ディジュリドゥは魔物の逸物を模したという伝承があり、女性は吹いてはいけません。
吹くと妊娠してしまい、また妊娠した女性が吹くと流産すると言われています。
部族によって伝承は様々で、逆に女性しか吹かない部族もあるようです。

ある部族では、人はそれぞれ役割を持って生まれてくるとされており、生まれた時、長老に、その役割を告げられます。
そこで吹き手に選ばれた赤ん坊は、祭事にディジュリドゥを吹くことになるのです。


GVOのオセアニアの街に、ディジュリドゥが立て掛けられていることに気づいた人はいるでしょうか?
民芸品店では、よく、このようにディスプレイされていますが、
当時のアボリジニは、大きな木の下や、自然の洞窟を住居にしており、楽器をこんな風にディスプレイする習慣はありません。
また、一緒に置かれている民芸品は、西アフリカのジャンベと呼ばれる太鼓などで、明らかに地域が違います。
アフリカの街は、円筒形の住居等が、とても良く再現できているのに、オセアニアの街は、参考にする資料を間違えたようで、少し残念でした…。
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不滅の星

エターナルスター

南アフリカとナミビアとの国境になっているオレンジ川。
GVOでも、オレンジ川の河口が、カリビブ〜ケープ間の海岸線にありますね。

南アフリカの星1866年、このオレンジ川の中流で遊んでいた少年が、輝く石を見つけました。
この輝く石が、21.25カラットのダイヤモンと判明し、
『ユーレカ』と名付けられます。

続けて、近隣の農夫が83.50カラットのダイヤモンドを発見したことで、南アフリカはダイヤモンド・ラッシュに沸くことになります。

この時、発見された83.50カラットのダイヤモンドは、後に『南アフリカの星』と命名されました。
これが、クエストのタイトル『不滅の星』と、発見物の『エターナルスター』のモデルかと思われます。


1871年には、オランダ系移民の国、オレンジ自由国のキンバリーで、ダイヤモンドの鉱脈が見つかりました。
これに由来し、ダイヤモンドの鉱脈はキンバーライト層と呼ばれるようになります。
この報を聞いた鉱夫達はキンバリーに押し寄せ、キンバーライト層の周りに、1万人分の鉱夫のテントが立ち並んだそうです。

ビッグホールキンバリーには、ダイヤモンドの採掘でできた『ビッグホール』と呼ばれる巨大な穴が開いています。

背後のビル群が小さく見えるのは遠近感のせいだけではありません。
この穴は、周囲1.6km、深さ393m。
機械を使わずに人力で掘られた穴としては世界最大だそうです。
1914年の閉山までに、2250万tの土が掘り返され、2722kgのダイヤモンドが採掘されたそうです。

宝石に魅せられたのか、ここまでするとは、人間の欲深さは気味が悪いですね…。

この『ビッグホール』には、鉱山博物館が併設されていて、ダイヤモンドラッシュに関する資料や、当時の採掘機等を見ることができます。
『南アフリカの星』のレプリカや、少年の発見した『ユーレカ』、世界最大の611カラットのダイヤモンドの原石等も展示されていました。


ケープ植民地がイギリスに譲渡され、1833年に奴隷解放が宣言されると、奴隷の労働力に頼りきっていたオランダ系移民(現在のアフリカーナー)は、内陸へグレート・トレックと言われる移動を開始し、武力で黒人の土地を奪っていきます。
そして、南アフリカ中部にオレンジ自由国、北部にトランスバール共和国を建国します。

しかし、オレンジ自由国でダイヤモンド、トランスバール共和国で金が産出すると、イギリスは、この二ヵ国をケープ植民地に併合しようとします。
内陸国のトランスバール共和国は、ナタールにあるズール族の王国を奪い、イギリスに対抗しようとしますが、それを察したイギリスは先手を打ち、ズールー王国を占領します。
そして、第一次ボーア戦争、第二次ボーア戦争を経て、1902年にイギリスの支配下となります。
この戦いにおいて、現地の黒人達は、両軍に強制的に徴兵され、多くの人が犠牲になりました。

イギリスは、オランダ系移民との関係を回復させ、1910年に南アフリカ連邦が成立します。
南アフリカ連邦においても、自らの利権を守ろうとし、民族主義を主張し続けたアフリカーナーは、
やがてアパルトヘイトを形成していくことになります。


当時、キンバリーには、ダイヤモンドの採掘会社が無数にありました。
採掘で富をなし、デ・ビアス社を興したセシル・ローズという人物は、ユダヤ系イギリス人の金融財閥ロスチャイルド家から融資を得て、全ての採掘会社を統合し、鉱山開発権を独占します。
(ロスチャイルド家は、後のイスラエル建国にも多大な影響を与えています。)

そして、ダイヤモンドで得た資金を元に政界に進出し、ケープ植民地の首相に登りつめ、さらに、イギリス東インド会社をモデルに、イギリス南アフリカ会社を設立。
現在のザンビア、ジンバブエにあたる、南東アフリカ地域を植民地支配し、ローデシア
(ローズの家)と名付けています。

1886年に、トランスバール共和国のヨハネスブルグで金が産出されると、セシル・ローズは、武器を密輸し、同国内のイギリス系労働者に武装蜂起させて、クーデターで国を乗っとろうと企てます。
しかし、これは失敗に終わり、国際社会から糾弾されて、政界から失脚しています。


その後も、デ・ビアス社は世界中の鉱山や販売会社を買収し、採掘・加工以外に、流通・販売も自社で一元管理し、市場価格をコントロールしていきます。
そして、1931年には、CSO(中央販売機構)という組織を設立し、独占体制をさらに強固なものにしました。
現在の技術で、人工的にダイヤモンドを生成できるそうですが、これが市場に流入しないのは、デ・ビアス社が抑止しているからだそうです。

デ・ビアス社のキャッチコピーは、『ダイヤモンドは永遠の輝き』という有名なフレーズ。
発見物『エターナルスター』のエターナルは、ここから付けられたのかもしれませんね。
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